退職後の健康保険(健康保険任意継続制度)の手続きとメリット
健康保険に加入されている会社員の方が退職すると、再就職する・しないに関わらず何らかの公的医療保険に加入する必要があります。
具体的には、以下の3つの何れかの加入手続きが必要です。
- 任意継続健康保険
- 国民健康保険
- ご家族の健康保険(被扶養者)
今回は、「任意継続健康保険」について加入条件、手続き、保険料、メリットについて、協会けんぽの内容を元にまとめていきます。
任意継続とは
健康保険の任意継続とは、自分の意志で会社を辞める前の健康保険に継続して2年間加入できる制度です。
以下は、協会けんぽでの説明内容です。
事業所を退職や労働時間の短縮等によって健康保険(全国健康保険協会管掌健康保険)の被保険者の資格を喪失したときに、一定条件のもとに個人の希望(意思)により、個人で継続して加入できる制度です。
任意継続の条件
任意継続を行うための条件は以下の2つです。
普通に働いていれば特に問題ない条件ですね。
- 資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
- 資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。
任意継続の手続き
任意継続被保険者資格取得申出書を記入
協会けんぽのページから「任意継続被保険者資格取得申出書」をダウンロードして記入しましょう。
任意継続被保険者資格取得申出書はこういった書類です。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat240/r55
任意継続の被扶養者にするの書類を準備する
退職前にご家族を健康保険の被扶養者にされていた方は、必要書類を提出することで、任意継続の被扶養者にすることが出来ます。
被扶養者になるための条件として扶養者の範囲と収入要件がありますが、退職前に被扶養者であれば条件はクリアしていると考えてよいですので、「扶養の事実が確認できる書類」を準備します。
扶養の事実が確認できる書類とは以下の書類です。
- 収入のない方の場合は、市区町村長が発行する直近の所得証明書または非課税証明書
- アルバイトなど給与収入がある方の場合は、給与証明、源泉徴収票の写しなど
- 自営業や農業、不動産収入等がある方の場合は、直近の確定申告書の写しなど
- 会社を退職された方の場合は、離職票、雇用保険受給資格者証の写しなど
- 年金収入のある方の場合は、年金の振込通知書、改定通知書の写しなど
書類を協会けんぽへ提出する
「任意継続被保険者資格取得申出書」と「扶養の事実が確認できる書類」が準備出来れば、管轄の協会けんぽ支部へ提出しましょう。
注意点として、退職日から20日以内に提出しなければいけません。
保険証が届く
4月などの繁忙期でなければ、それほど時間はかからずに保険証が届きます。
もし、保険証が届く前に病気やけがで医療機関で診療を受ける場合でも、退職日の翌日から保険に加入していることになっていますので、心配はありません。
任意継続した場合の保険料
任意継続した場合の保険料は在職中の2倍になり、原則2年間変わりません。
在職中は事業所とご本人で保険料を半分ずつ負担することとなっていましたが、退職後(資格喪失後)はご本人が全額負担することとなります。
納付した保険料は全額が社会保険料控除の対象となるので、領収書を保管して確定申告を忘れずに行いましょう。
もし、領収書を紛失した場合でも領収書に代わる「保険料納付証明書」を発行してもらえるので、協会けんぽへ連絡しましょう。
任意継続のメリット
国民健康保険より保険料が安い場合が多い
退職時に公的医用保険へ加入する際の選択肢として、国民健康保険があります。
国民健康保険の保険料と、健康保険の保険料を比べてみてください。
収入にもよりますが、安くなる場合が多いです。
特に「協会けんぽ」ではなく「組合健保」の場合は安くなる場合が多いので、確認してみてください。
保険料を比較する際の注意点として、在職時の保険料を2倍して計算することは忘れないでください。
家族を被扶養者にすることができる
退職前にご家族を健康保険の被扶養者にされていた方は、自分が任意継続せずに国民健康保険に加入すると、ご家族の人数分だけ国民健康保険に加入する必要がでてきます。
先ほどの、保険料が安くなるメリットと重複するかもしれませんが、独身でない場合は特に合計のご保険料で確認してみましょう。