
はじめに
2008年のリーマンショックは、私の20年以上にわたる投資経験の中で最も強烈な出来事でした。資産が半分近くまで激減する恐怖をリアルタイムで味わった経験は、現在の私のポートフォリオや資産防衛の考え方に大きな影響を与えています。今回は当時の状況と、そこから学んだ教訓をまとめます。
当時の資産状況と下落の恐怖
2008年秋、毎日のように株価が暴落する日々が続きました。当時、私の資産はまだ数百万〜一千万円台でしたが、それでも日に日に評価額が削られていく恐怖はすさまじいものでした。
証券口座の画面を開くたびにマイナスが膨らんでおり、次第にログインすることすら避けるようになりました。「このまま資本主義が終わるのではないか」という空気すら漂っていたことを覚えています。
退場しなかった理由
多くの投資家が市場から退場していく中、私が投資をやめなかった理由は主に2つあります。
1つ目は、本業であるITエンジニアとしての収入が安定していたことです。幸いにも自分の勤務先は直ちに倒産するような状況ではなく、毎月の給与が入り続けていました。これにより、日々の生活が脅かされることはありませんでした。
2つ目は、売却して損失を確定させる決断ができなかったという「放置」の力です。良くも悪くも、ショックで思考停止状態になり、ただ積立投資の設定だけを残して口座を見ないようにしたことが、結果的に底値での売却を避けることにつながりました。
リーマンショックで変わった考え方
この経験を経て、私の資産形成のルールは明確に変わりました。
第一に、生活防衛資金を厚めに確保することです。どんなに相場が良くても、全額を投資に回すことはせず、常に生活費の2年分以上の現金を確保するようになりました。現在は資産が大きくなったため、生活費の2年分+50万円(約650万円)を現金等で保有しています。
第二に、配当金というキャッシュフローの重視です。株価が暴落している時でも、企業からの配当金は少なからず支払われます。この「相場が下がっても入ってくる現金」が、下落相場での精神安定剤になることを学びました。
経験が今に活きていること
現在、資産が1億円を達成し、1日の価格変動が数百万円になることもあります。それでも比較的冷静でいられるのは、リーマンショックでの「最悪の事態」を経験しているからです。暴落は必ず定期的にやってくるものとして、自分のリスク許容度を超えないポートフォリオを維持し続けることの重要性を、あの数年間が教えてくれました。

