
私は現在、医療保険に加入していません。
正確に言うと、社会人になりたての頃に親に勧められて加入した貯蓄型の医療保険を、30代のある時期に解約しました。その判断に至った理由をまとめます。
なお、保険を最低限にしている全体的な考え方については別の記事(「保険を最低限にしている理由」)でまとめています。この記事では、医療保険を解約するまでの経緯と、当時の考え方に絞って書きます。
最初の加入は「親に勧められたから」
加入したのは入院1日あたり5,000円が支払われる貯蓄型の医療保険でした。
当時の私は「いざ病気になったときのために必要なのだろう」という程度の認識で、特に調べることもなく加入を決めました。保険の設計内容をじっくり読んだ記憶もありません。
毎月の保険料は数千円程度でしたが、払い続けているうちに「これは本当に必要なのか」という疑問が積み上がってきました。
高額療養費制度を知ったことが転換点
医療保険を見直すきっかけになったのは、高額療養費制度の存在を知ったことです。
日本の健康保険には、同一月に支払う医療費の自己負担額に上限を設ける仕組みがあります。たとえば、私の当時の年収帯(標準報酬月額がおおむね28万〜50万円の区分)では、どれだけ高額な治療を受けても、1か月あたりの実質負担は8万〜9万円程度に抑えられます。
手術や入院が重なったとしても、同一月にかかる費用は概ねこの水準です。
この金額を知った上で、私は手元の生活防衛資金を確認しました。当時でも複数月分の現金は確保できていたため、「もし今月入院しても、手元の現金で支払える」という結論に至りました。
貯蓄型保険の問題点
解約を最終的に決意したのは、保険の仕組みそのものへの理解が深まってからです。
私が加入していたのは貯蓄型で、満期になれば一部が戻ってくる設計でした。一見するとお得に見えますが、これは「保険会社が運用して返すお金」です。その裏には、手数料として抜かれている分があります。
投資を本格的に始めてから、「保険会社を通じて運用するより、自分で低コストのインデックスファンドを買った方が効率がいい」という考えが定まりました。
保障と運用を1つの商品に混ぜると、どちらも中途半端になりやすいというのが私の理解です。保障が必要なら掛け捨てで純粋な保障だけを買う、運用は運用で別に行う。このように切り分けた方がシンプルで費用も低く抑えられます。
解約後の変化
解約後は毎月の固定費が数千円減り、浮いた分を投資に回しました。
長い時間軸で見ると、この判断が積み重なってきたことは間違いありません。ただ、解約の判断を後悔したかというと、一度も後悔したことはありません。
理由は明確で、解約してから10年以上経過していますが、私が入院・手術が必要な状況になったことはなく、高額療養費制度の上限を超える支払いも発生していないからです。もちろん今後はわかりませんが、仮にそうなっても今の手元の現金と社会保険の組み合わせで対応できると判断しています。
誰にでも当てはまる話ではない
この記事は「医療保険は不要だ」という一般論を主張するものではありません。
貯蓄がほとんどない段階では、医療保険が唯一のリスクヘッジになるケースもあります。家族構成や体質、持病の有無によっても判断は変わります。
ただ、私の場合は「生活防衛資金が十分にある」「社会保険が手厚い会社員である」「独身で扶養する配偶者・子どもがいない」という条件が重なったため、医療保険を保有し続ける理由がなくなっていました。
自分の条件を確認した上で、納得して判断できるかどうかが重要だと考えています。
まとめ
医療保険を解約した理由を一行でまとめるなら、「高額療養費制度と手元の現金があれば、入院・手術の費用は自分でカバーできると判断したから」です。
資産が積み上がり生活防衛資金が厚くなるほど、保険で備える必要のあるリスクは絞られていきます。今の私にとって、保険でカバーすべきリスクはそれほど多くないというのが実態です。

