
投資を始めた当初、私はお金の流れをほとんど把握していませんでした。
毎月給与が入り、生活費を使い、余った分で投資信託を買う。その繰り返しでしたが、「余った分」がどのくらいになるかは月によってバラバラで、感覚的に管理していました。
それが変わったのは、収入・支出・資産を数字で整理し始めてからです。今回はその方法と、整理することで何が変わったかを書きます。
やったことはシンプルな整理
キャッシュフローの可視化と言うと複雑に聞こえますが、私がやったことは3つの整理だけです。
1つ目は収入の整理、2つ目は支出の整理、3つ目は金融資産の整理です。
収入を手取りで把握する
まず、手取り収入を正確に把握しました。
給与の他に、当時は少額でしたが配当収入もありました。全ての収入を合算して「年間でいくら使えるか」を数字にしました。
源泉徴収票を見たことがない方は、税金や社会保険料の大きさに驚くかもしれません。私も初めて細かく見たとき、額面と手取りの差額に改めて気づきました。
支出は固定費と変動費に分けて整理する
次に支出を整理しました。
私が実践しているのは固定費と変動費に大きく二分するやり方です。
固定費は住居費・通信費・保険・定期的な支払いなど、毎月ほぼ同額が出ていくものです。変動費は食費・交際費・趣味・医療費など、月によって変動するものです。
節約効果が高いのは固定費の見直しです。一度変更すれば、その後は意識しなくても継続的に節約が続きます。家賃・通信費・保険を見直すだけで、月数万円の固定費削減になることは珍しくありません。
変動費については、あまり極端に削ると継続できなくなります。食費や趣味を根本から削っても長続きしないため、ここは緩めに管理していました。
年単位で発生する支出(保険の年払い・家電の買い替えなど)も忘れずに洗い出しておきます。これを月割りにして月次支出に加えると、本当の月間コストが見えてきます。
投資に回せる金額を計算する
収入から支出を引いた差額が、毎月投資に回せる金額です。
この金額を把握してから、私の中で「給与の何割を投資に回しているか」という意識が生まれました。当時は給与の20〜30%程度を投資に回していました。
この数字を把握することで、収入が増えたときや支出が変動したときに、投資額への影響を即座に計算できるようになります。漠然と「余ったら投資する」から「月〇〇万円を投資する」に変わったことは、長期的な積立を続ける上で大きな違いでした。
金融資産を安全資産とリスク資産で分ける
収支の整理ができたら、保有している金融資産を整理します。
私は銀行預金を安全資産、ETFや投資信託をリスク資産として分類して管理してきました。
安全資産の役割は生活防衛資金と近い将来の大きな支出への備えです。リスク資産は長期運用で資産を育てるための元本です。
この分類を整理してみると、「全財産が銀行預金で眠っている状態」や「生活防衛資金がほとんどない状態でリスク資産を持っている状態」が可視化されます。私自身、最初に整理したときに「安全資産が多すぎる」という気づきがあり、投資に回す割合を調整しました。
可視化してわかったこと
数字を整理してみると、漠然と感じていた問題が具体的になりました。
私の場合は「月次の支出を把握できていないために、投資に回せる金額を過少に見積もっていた」という点が最初の気づきでした。固定費を見直した結果、月々の投資額を増やすことができました。
また、年単位の支出を洗い出したことで、「毎年秋に10万円以上の出費が集中していた」ことにも気づきました。それ以降は積立方式でその費用を準備するようにしました。
現在は自作ツールで管理している
今は収入・支出・資産の動きをSupabaseとNext.jsで構築した自作ツールで管理しています。
毎月の資産状況は自動で集計されて記録されており、月次の資産ログを作成する際の数字はここから取得しています。
最初の整理はスプレッドシートで十分です。大切なのは「現状を数字で把握する」という習慣を持つことで、ツールの精巧さではありません。
まとめ
キャッシュフローを整理したことで変わったのは、投資の意思決定に迷いがなくなった点です。
収入・支出・資産の三つを把握していれば、「今月は投資に回せる金額がいくらか」「生活防衛資金は十分か」「資産のバランスは目標に近いか」がいつでも確認できます。
1億円という目標に向かって積み上げてきた基盤は、この数字の把握から始まっていたと思っています。

